久々更新
月1回ペースになってるような。
三津田信三『密室の如き籠るもの』
メフィストで表題作以外は掲載されて、読んでいたけども、書き下ろしの「密室の如き籠るもの」が全体の半分の頁を占めているのでお得感が。
刀城言耶シリーズは長編の方がいいと思うなあ。民俗学的伏線をもっと張れるだろうし。それでも表題作のどんでん返しはなかなか。
連城三紀彦『恋文』『造花の蜜』
初めて読みました。すごい大御所。
『恋文』はドラマで見たことありました。ていうかすごい。この『恋文』に収録されている全ての短編が全く外れがないとは……
恋はミステリーなんだね。っていうのはどっかの歌謡曲であったけど、本当だねえ。
『造花の蜜』は本格ミステリ大賞候補作にもなった作品。エンタメとしても極上だけど、本格としても質が高い。
ミステリの基本である、物事の反転がこうも巧みに行われるとは。拍手を送りたくなる。
山口芳宏『豪華客船エリス号の冒険』
新進気鋭の新人作家の第2弾。とはいっても第1弾読んでないけど。
なんていうか、すごくサクサク読める。そしてキャラクタが濃い。コブラみたいな探偵がいる……義手って。
そして、妙に古くさい感じの新本格以前のミステリのお決まりごと設定が凄く懐かしい感じだ。
この作品に出てくる夜叉姫ってのも乱歩の怪人二十面相みたいな感じだったり、それと戦う探偵がいたり(二人もいるけど)
これからも注目の作家です。
東野圭吾『鳥人計画』
うん、普通に東野圭吾してる感じな作品。おもしろいとは思うけどどこが面白いかと言われると返事に詰まる。
法月綸太郎『法月綸太郎の功績』
やっぱりのりりんの短編集はおもしろいなあ。
これで既刊の法月先生の作品はたいがい読んだのかな?
……新刊を待つ身になるのか、はあ……
J・D・カー『火刑法廷』
オチを読む。
エエエェェェェエエエ
加納朋子『スペース』
再読。駒子シリーズのすばらしさを再認識した。つーかこれで批評会したかった……
19冊目
next 北村薫『鷺と雪』
ごった煮
なんか1ヶ月以上更新できませんでした……本が最近読めてないです。
エラリー・クイーン『フランス白粉の謎』
読んでいる最中はしんどいけど、読み終わったら面白かったなあと思う。
あのリーダビリティのなさの中で挑戦状を受け取り推理するのは無理です。
有川浩『別冊図書館戦争1・2』
読んだのが1ヶ月前ぐらい……けど読んでいて、こっちが赤面するぐらいいちゃいちゃしていたのは覚えてます。
もうどうにでもしてくれ……ってな感じに読んでました。
森博嗣『黒猫の三角』
うーん、おれたちのはちゃめちゃ探偵ライフはまだまだ続くよ! って感じで終わりました。
ていうかあんまり覚えていないけど、密室の抜け道は強引だった気がします。
米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』
最後は何を意味しているんだろうか……? よくわからないけど
各々の短編はいい感じな気がしました。
あんまり覚えてないです。
湊かなえ『告白』
何かと話題なこの作品。確かにおもしろい演出でうまく作品をみせていましたね。
この中で一番ひどい人間は誰だろうって話になり、先生が一番酷いよねってことで落ち着きました。
吉田修一『パーク・ライフ』
普通に面白かったな。特に表題作の「パーク・ライフ」は公園になんとなくいてしまう男女の奇妙な関係がおもしろい。
こういう切ない感じを出せるってのはいいなあ。
10冊目
next 三津田信三『厭魅の如き憑くもの』
今年最初のミステリ
さて、新年なので気持ちをリセットして、新たにカウントを始めたいと思います。
そして去年最後の更新と今年最初の更新に読んだ作家が同じだということはあんまり意図していません。
でも『コズミック』という超弩級の作品で始めることは決めていました。
ちょうど新年から始まる事件だということで、季節柄ぴったりですね!
清涼院流水『コズミック』
何だこの小説・・・・・・いや、大説は。
ポカーンとしかならないですね、ええ。バカミス好きとしてはこれを許容できるんだけどな。そういう意味では誉め言葉。
『ジョーカー』と同じく、これはひどい。としか言いようがない作品。
この作品につっこめるところがあるとしたら、ミステリのせいで犯罪がすごくなったと言っているけど
実際に小説にそんな力はないよ、としか言えないんですよね。本読みが言うことじゃないんですがw
・・・・・・だから大説なのか?
法月綸太郎『生首にきいてみろ』
うーん、正直誤認というトリックテーマでは、『誰彼』の方がすばらしいと思うし、パワーがそこまでない気が。
これでほぼ全作法月さんの作品は読み終わったけど、ベストは『密閉教室』になっちゃうかな。
ノーカット版でない方の。
タイトルにすごく惹かれるものがあるのは否めない。
3冊目
next エラリー・クイーン『フランス白粉の謎』
最高にハイでポジティブでファンタジーな恋愛小説
今年読んだ中で一番読んでいる最中にニヤニヤしながら楽しんで読んだ本でした。
とにかく楽しい。先輩と彼女のちょっと間抜けなすれ違いとかずれた会話。
地の文が合う人と合わない人に別れると思うけど、めちゃくちゃ合ったなぁ。
今年最後に今年1,2を争うぐらい楽しめた小説に会えました。
156冊
next 法月綸太郎『二の悲劇』
イワンのばかとコンプレックス話
トルストイ『イワンのばか他八篇』
寓話集です。どれも欲をかきすぎると罰が当たるぞ的な話です。
こういう小説はあんまり読んでこなかったけど、どれもまあ聞いたことはある感じ。
それがすごいけど。
麻耶雄嵩『鴉』
またやらかした的な帯。でも意外とやらかしてない件。
コンプレックスを中心に物語が進んでいくお話。メル長編はだいたい後味悪いよな〜。
土俗的な雰囲気がむんむんと伝わっていく中、名前がどの人物も麻耶チックな名前だから、いつもの麻耶ワールドに引き戻される。
そして半日かけて行った先での殺人事件を15分で解いちゃう銘探偵メルカトルはいつものごとく、ちょびっとしか出てきません。
なのにあの存在感。
ラストが叙情的でいいですね。
155冊