青春×2と青春じゃないの

初野晴『1/2の騎士』
普通に良い作品。切ない感じのお話。青春もの。ていうかこの作者物語の構成の仕方がうまいわ。
ミステリーのトリック云々よりは青春的な方に目がいく作品。もうなんか青春としか言いようがない。

米澤穂信秋期限定栗きんとん事件 上下巻』
こちらも青春……なんだけど、主役二人の頭のねじがどっか緩んでるような。
小鳩君が彼女できて浮かれてるのを見て、リ○充め……って思ってみたり、小山内さんの間違った方向性を見て、ヤン○レの素質あるな……って思ってみたり。最後の最後で、小鳩君に、同作者の別シリーズの古典部の男子部員2人にかかった同じ病気が発症しそうなのを見てニヤニヤするのは僕だけでしょうか? まあ、古典部の折木君と小市民シリーズの小鳩君との共通点は、自分が持っていた(しかも中学生だかなんだかの幼い頃に形成された)アイデンティティをたたき壊される変換点に立ち会ってるところってとこですかね。うーん青春。

三津田信三『四隅の魔 死相学探偵2』
最後は青春じゃないもの。ホラー。
ミステリって本当スクエアの話好きですよね。
前作より全然整合性がとれているっていうか前作が破天荒にもほどがあった作品だから、逆にもっと冒険してみた方が、と思ってしまうのは何故なんだろうか。


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