久しぶり

久しぶりに本を読んだ気がする。まあ、この6冊はここ2週間で読んだものですが

森見登美彦四畳半神話大系
使いまわ(ry
ようするに主人公と親友の友情物語でした。
どういう道に行ってもそんなに人生変わらないよってこと。

広瀬正『マイナス・ゼロ』
40年ほど前に書かれたにしてはものすごいいいSFだと思う。
今はタイムパラドックスシュレディンガー的な方向で好まれて解決されてるけどこういうのもいいよね。
なかなかに不遇な作家さんらしくて、集英社文庫から5冊ほど全集がでてるみたいなので、順次追っていこうかな。

近藤史恵『ガーデン』
同級生の女の子がベストミステリとして挙げてたのがすごく気になっていて、知ってから2年後ぐらいにやっと読んだ作品。
なんていうか心理描写がやばいね。ドロドロしていてなんだかもうこれはこれでかなり好きな感じ。
探偵役の役割というかなんというか結構斬新な気がした。醜い感情を見せつけられても平気な人推奨。
いや、割とこういう女性の汚い部分を見せられても平気な感じです。むしろピュアな汚れだよ、アレ。

高野和明『13階段』
死刑制度への疑問の提唱をけしかけている。でも一貫して中立的な立場で批判している。
ミステリとしてもよくできたお話で、宮部さんがプッシュするのもわかるっていうか宮部臭がするような作品。
かなり調べられているし、最後の締めの文章がよい。

瀬名秀明『八月の博物館』
なんていうかものすごい作品。結構言いたいことたくさんあるけどピックアップするなら、瀬名さんの博物館及び図書館への理解の仕方がすばらしい。
特に図書館に関わることをちょっとばかししている僕としては、図書館の使い方を知ってるなんてさすが研究者だなあと思う。
もう、知識が駆けめぐってる感じ。

白石かおる『僕と『彼女』の首なし死体』
新刊です。なかなかよかった。リーダビリティも良いし、主人公がなかなかに斬新で、あんなに自分を突き放してるのは見たことないなあ。
ぶっちゃけ動機は最初の方で思いついた、まさかな、ってやつだったし犯人もまあ、こいつだよねって感じだけど、最近読んだ新刊の中でいい方。そんなに読んでないけど。
無駄のように思える主人公の一流商社マン的なお話も、主人公の性格を示す大事なエピソードで、それがトリックにもつながるし、この小説の核とも言うべきものである。選者のうちの板東さんが主人公が紙のようなのが自意識過剰すぎって言ってたけど、まさにこの主人公は神にも近い=一人称でありながら、客観性を持ちすぎるという相反する属性を併せ持つというのが新しいと感じた理由かも。
ヒロインが婚約者もちのツンデレアラサーお嬢様というのもなかなか。(何がなかなかなんだか)

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