2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

報復絶倒のスラプスティックミステリ、永遠の恋

法月綸太郎『ノーカット版 密閉教室』 再読。カット版の方を2年前ぐらいに1回読み、どんでん返しの魅力に気づかせてくれた作品。 あの頃と今では、今の方がミステリーに関する知識は多少増えたから、法月さんが仕掛けたオマージュ部分に気づくことができた…

17歳でデビューした作者のデビュー作

16歳で執筆し、17歳の時に発表。今の自分よりも若いのに、なぜこんなにも文才があるのだろうか。 ここまで書ける高校生ってすごいなあ。(年代は違えども)他の高校生でデビューしたという作家の作品と比べても抜きんでている。 なにより、物語の締めくくり…

裁判員制度を用いた初めての本格ミステリ小説

裁判員制度。まあ、将来国民の誰かに降りかかってくるもの。 そういった制度に興味を持ち始めた人もそうでない人も読んでおもしろい作品だと思う。 まず、法廷ミステリの派生系である今作品では、推理の判断として法廷に差し出された証拠しか使ってはいけな…

ハードSF

SF特有の固有名詞の多さには辟易したけど、思ったより読みやすかったしおもしろかった。 真相のスケールの大きさは驚くしかない。 そして何より作者の学問の多角っぷりに一番驚嘆した。 何にでも精通してるなあ・・・・・・残り52冊next 芦辺拓『裁判員法廷』

国名シリーズ

有栖川氏の国名シリーズにおいても、なかなかよくできた作品だったと思います。 表題作の「モロッコ水晶の謎」はよくできた本格だったし、推理合戦も小ネタだろうけども、おもしろかったし。 国名シリーズはこれでマレー以外は読んだことになるのですが、今…

誰の時計か

至極まっとうな本格ミステリ。特に表題作の「スイス時計の謎」は久々に楽しめた本格中編だった。 作家アリスの意外な過去が明らかになる意味でも楽しかった。 つっこみようがない作品だなあ。矛盾がなくて。 安定して読める作家だ。残り54冊next 有栖川有栖…

ボーイ・ミーツ・ガール

500p弱の二段組みハードカバーの単行本で、すごく重たそうなタイトルなのに、意外と文章は軽かったのが印象深い。 こんなに悪魔とかホラー小説に詳しい中学1年生なんかいねーよというつっこみはさておき、いいホラー小説だなと思いました。 中盤のおすすめホ…

密室だらけの短編集とバカ

貴志祐介『狐火の家』 『狐火の家』は『硝子のハンマー』の続編で防犯屋と弁護士コンビが活躍する推理小説。 貴志祐介は推理小説よりホラー・SF寄りな人だけどこの人の書いた本格もなかなかよい。 さて、『狐火の家』は4つの短編からなる短編集なわけですが…