倒錯と狂気の巨匠と恥ずかしくなるくらい甘い少女漫画的ラノベ

江戸川乱歩江戸川乱歩傑作選』
なんで今まで乱歩を読んでなかったんだろう。やばいやばい。古典作品かと思って読んだらどれも今でも通用するくらいおもしろい。
古典作品って普通そんなもんだけど。
とりあえず一作ずつ感想。
二銭銅貨」…いい暗号物。正史の本陣にしてもそうだけど、西洋ミステリしかなかった時代で日本のミステリとして書けたのが凄い。
「二癈人」…ミステリとしてより人間の恐ろしさの方が印象深い
「D坂の殺人事件」…明智初登場。ダミートリックは割とエェェな感じ。動機が素晴らしいよなあ。
「心理試験」…これこそ乱歩の骨頂とでもいうべき作品。心理トリックが素晴らしい。
「赤い部屋」…これと後述の「人間椅子」が今作品集でフェイバリット。どちらにも言えることが嘘なのか本当なのかわからないとこってのが怖い。
「屋根裏の散歩者」…これも心理トリックがいいよなあ。屋根裏を徘徊するという背徳感がなんともいえない。
人間椅子」…いい。最高に怖い。そして嘘なのか本当なのか、読者にはわからないのが良い。
「鏡地獄」…マジで中身が気になる。
「芋虫」…エログロ。最後の結びが素晴らしい。

有川浩『図書館革命』
読んでて恥ずかしい。デートシーンとか。
いいぞ、もっとやれ! って感じですけど。
しかし甘いなあ、と思うのはテレビ局があんなことやるわけが(以下略)
別冊読みたいなぁ……

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