裁判員制度を用いた初めての本格ミステリ小説

裁判員制度。まあ、将来国民の誰かに降りかかってくるもの。
そういった制度に興味を持ち始めた人もそうでない人も読んでおもしろい作品だと思う。
まず、法廷ミステリの派生系である今作品では、推理の判断として法廷に差し出された証拠しか使ってはいけないという、本格ミステリにおける二重目の縛りがあるのが特徴です。さらに、二人称視点という珍しい形式で書かれています。
とにかく既存のトリックで、かなり簡単なようなものでも見せ方を変えれば、こうも魅せれるのかと思った。
裁判員制度に対する軽い勉強的な意味でも、エンターテイメントとしてもおすすめできる作品です。
欲を言えば、もう1,2作短編がほしかった。

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