嗤われたら、終わり。

民俗学を巧みに物語に組み込ませ、それがトリックの中枢となるミステリーを得意とする三津田信三の刀城言耶シリーズ最新作。
山魔の出る忌み山で起こる不可解な密室事件が起こり、さらには連続殺人事件へと発展していきます。
前作の首無の〜の方が僕は好きかな。それでもよくできた小説でした。
今までのシリーズを読んできて(とはいっても厭魅の如き憑くものは未読ですが)初めて探偵刀城がキャラ立ちしてきたなあ、と。
まあ、首無の〜ではほとんど出番はなかったから仕方ないですけどね。
変な京都弁(?)を喋る編集者や変人そうな父親にツンデレな警部とか。いろいろ出るなあ。
横溝っぽい田舎の集落に京極っぽい昭和の東京の風景とかすごく背景が好みだなあ。
この作品にも少し触れらいた首切事件、つまり『首切の如く裂くもの』も読んでみたいなあ。

残り58冊

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