本格バカミスとタイトル

霞流一『首断ち六地蔵
ぽんぽんと出される仮説、そしてそれらが即座に棄却される・・・・・・まさに本格というべき作品です。
あいかわらずトリックはアレな感じですが、だがそこがいいし、最後にきちんと収束されます。
よくこうも見立てられるなあと思ったり。

残り20冊

加納朋子『スペース』
駒子シリーズ3作目。今回も楽しませてもらいました。
前作との関連が濃いので、前作を読み返したいなあと思ったり。
タイトルの意味がよい。タイトルってぱっと見て内容を把握できるようなものか読んでいく内に意味が含まれているものだとわかるものかって風に分けられると思うのですが、上記の『首断ち六地蔵』が前者で『スペース』は後者の方です。
今作品は「スペース」と「バックスペース」という2作の中編からなっていますが、もちろん対になっており、表裏一体のような関係になっております。それらの意味がわかったときに暖かくなれるような気分になれます。
初めて駒子の視点から外れる作品が出てくるのですが、客観的に見たら駒子という人物はかわいらしい人物に見えるなあ。
ななつのこ』『魔法飛行』『スペース』という3作を通して読んだ方がおもしろいかと思います。
早く文庫落ちしないかなあ。

残り19冊

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