周到すぎるプロットに味わい深い終わり

素晴らしい作品でした。
シリーズの最初からのちりばめられていた伏線を見事回収し、一つの区切りを与えた作品です。
人間は無意識下で自分を守るための行動を起こしていて、無意識下において相手を攻撃する。
人間の業というかなんというか、深いものなんだと思い知らされました。
中学の部活の頃、先輩たちの圧制下に苦しんだとき、後輩たちには絶対こんなことしないでおこうと思ったのは今でも覚えているなあ・・・・・・
でも、どこか無意識のうちに後輩たちに圧政を敷いていたんじゃないかと不安になります。

暗いばかりでなく、この作品というかシリーズにおいてボアン先輩というキャラクターが登場しますが、彼がいないとただ重い話になって誰も救われないんだろうなと思う次第で、彼がいないと物語は始まらずにいたことを考えれば一番必要な人物なんだろうなと思う。
タックもタカチもウサコもボアン先輩によって救われているんだろうな。(直接的にせよ間接的にせよ)
ボアン先輩と友だちになりたい。

これから西澤さんを注目していこう。

残り2冊

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